宝塚造形芸術大学に隆介と由良っちが入学し、彼らの後輩たちもたくさん来てくれるようになり、特に映像学科の課題である映画の撮影に場所を提供したり、エキストラで参加したりと何かと協力するようになっていました。とかくやる気のない世代だと言われる中にあって、映画を完成させるといったひとつの目標に向かって本当にひたむきに協調して熱く活動する彼らの姿を見ることで、自分の中で忘れかけていた熱いものを呼び起こされる思いを感じることができ協力するというよりはむしろ参加させてもらうという気持ちの方が強かったかもしれません。そんななか、由良っちのひとつ下の後輩から卒業制作のロケに使わせて欲しいと依頼を受けます。
彼の名は嶋田史朗。在学中にして映画”交渉人 真下正義”の助監督を務めたという経歴の持ち主。一見私と同い年かと思わせる風貌。その彼が是非ペップラリーをひとつの重要なポイントとして卒業制作の映画に使わせて欲しい、そしてこの私も!と彼の構想を熱く語ってくれました。その映画は
”KEEP MERRY COMPANY”
海と山に囲まれた辺鄙な田舎の奥の奥に、今年を最後に廃校となる善通寺第二高校、通称“善ニ”があった。善ニ最後の卒業生となる船本知里、藤井敬子、久保田有香、香川真弓、田代京子、大須賀達矢、真鍋知生の8名は、卒業式にも関わらずUNOに興じ、騒ぎ立てていた。
そんな学校最後の日、デザイナーを目指し美大に進学する船本知里に、退職する担任の佐藤先生は閉校記念碑のデザインを最後の頼みとして申し入れる。
それから4年後…記念碑のデザイン原型がお披露目される閉校式典が行なわれるその日、最後の卒業生たちは再び集まる。
だが…知里が記念碑として作った女神像が、謎の8人組に奪われてしまう。はたして女神は閉校式典に間に合うのか、佐藤先生の思いへ答えられるのか、デザイナーを目指す知里は、本当に自分が作りたいものを見つけ出すことが出来るのか…。
抱腹絶倒の女神奪還劇が始まる…!
監督 嶋田史朗 プロデューサー 米田伸夫 撮影 吉川千園 照明 石間友章 録音 荒木レオ 美術 澤一成 松村瑛美 清水智大 衣裳 松原有理 助監督 梅原一眞 脚本 嶋田史朗
キャスト 徳田知子 印東紘子 磯谷小夜子 樋野佳奈子 仲井千代 堀内祐太 今村雄一郎 他
この映画制作にペップラリーを使ってもらうのは全く問題ないどころかむしろ大歓迎なのですが、自分が出演するのは。。”どんな役柄?””そのままで!”一番難しいです。今までエキストラとしては何度か出演してきましたが。まあ、そんなに台詞もないだろうとOKしたものの、後日彼からもらった職業別タウンページなみの脚本を見てびっくり!主人公の女の子との会話がA4判ヨコにぎっしり。それも結構キーパーソン。少しづつ覚えたらいいかなと思っているうちに刻一刻と撮影の日が近づいてきます。それでも何とかなるだろうと楽観的に考えていたのですが。。
撮影は3日間。店はお客さんが入ってきたらカメラを止めてもらうということでお願いしました。気になる台詞は、撮影をすこしづつ切ってもらって、その合間に覚えればいいだろうと思っていました。しかしこの緩い考えは、撮影前日スタッフたちの現場視察と称した緊迫した綿密な打ち合わせをする姿を目の当たりにすることによってもろくも打ち砕かれます。やばい!あせっても今更台詞が頭に入るわけがありません。そして当日。音声、照明、美術、衣装、制作等スタッフ総勢約30人!急遽店はクローズド。完全貸切で撮影開始です。そしていきなり私の出番。それも撮影を切ることのできないシーンでカメラまわしっぱなし。結局カンペを見ながら、かみながら、ぐだぐだで初日の撮影終了。
そして、2日目、3日目と朝9時から夜中1時まで撮影は続きます。”スタート!””テスト!””本番!””カット!”監督の声とそれを復唱するスタッフの熱い声が響きます。あっという間の新鮮なそして熱い3日間でした。
先日完成したDVDをいただきました。約1時間40分の大作です。映像、ストーリー、テンポ、すべてにおいて秀逸で、あっという間に見終わりました。私の演技の悪さも映像の美しさにカーバーされており少し安心したのですが、あまりにも作品がすばらしすぎてもっといい演技ができたらよかったのにと少し後悔したのも事実です。今回ほんとうに参加できてよかったとみんなには感謝しています。そして映画のとおり彼らの卒業アルバムは今、店に置いてあります。
To be continued.
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